東西線妙典駅近くの市川市立妙典小学校(市川市妙典2)内のハス田で5月5日、同小「ハス田クラブ」がハスの植え付けを行った。青空が広がる「こどもの日」に同小の児童や保護者、地域住民ら10家族40人以上が参加。1980年代後半までは行徳・妙典一帯に広がっていたハス田の歴史を次の世代へ伝える活動として毎年続けている。
1980年代後半までは行徳・妙典一帯のハス田が広がっていたという(写真提供=篠田務さん)
同クラブは同小創立20周年を記念して2018(平成30)年に発足した。同小が立つ場所は、かつてレンコン栽培が盛んだった地域。宅地化により周辺のハス田は姿を消したが、学校敷地内に残る、バスタブのような130センチほどのプラスチックおけに植え付け作業を行った。
植え付けでは、泥の中にレンコンの種株を一本ずつ手作業で植え込んだ。ハスの種付けといわれるが、実際には種芋や根っこではなく、地下茎という茎を植え込む作業。日頃目にするレンコンはハスの茎が大きくなったものだという。指導に当たったのは、行徳・妙典で長年レンコン栽培を営んできた篠田務さん。栽培方法だけでなく、かつて妙典や行徳でレンコン栽培が盛んだった歴史や、レンコン作りの苦労についても参加者へ伝えた。
植え付けのほか、夏の開花観察、秋のレンコン収穫など年間を通じて活動を展開する。篠田さんは「昔は辺り一面がハス田だった。子どもたちに地域の歴史を知ってもらい、このハスを守り続けてほしい」と期待を込める。
2年前より同クラブのハスを受け継ぎ、市川市立幸小学校(幸1)でも「幸小ハスっ子クラブ」が立ち上がるなど、行徳・妙典地域の最後のハスは守り育てられている。同クラブ事務局担当で、30年近く三番瀬の環境保全に取り組む安達宏之さん(NPO法人「三番瀬フォーラム」理事長)は「これからも地域の原風景を忘れず、私たちが住む行徳・妙典地域、市川の自然の大切さを伝え、自然について考えるきっかけを作っていきたい」と自然や文化を学ぶ機会づくりに取り組む。
植え付けたハスは6月下旬から7月にかけて花を咲かせ、毎年11月のレンコン収穫祭で収穫する予定。